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■Bite me or,or……,eehhhhhhh……

懐かしい、かまれたい女の子の話です。
(ゼロッキーの方を見ながら)





 二年生になって、そろそろ進路のことを考えなくならなくなったけれど、僕は相変わらず彼女に言いように使われている。たぶん、恋人。たしか、恋人。おそらく、恋人。できたら、恋人。
「……」
 僕はそんなことを考えながら五月の頭から補習をサボって彼女の愛機を自転車の墓場から引きずり出していた。
「はい。もう奥の方に置くなよ」
「いやあ、毎日すまないねぇ」
「それはどうも。……っていうか、補習くらい真面目に受けさせてくれないかな」
「受けても寝るだろう」
「まあね」
「そのくせ私より成績が良いとは……ッ! 馬鹿なヨータ! カムバック!」
「代田さん……、三年生でしょ。……そんなんで良いの?」
 僕が言うと彼女はふむふむと腕を組んだ。
「なに?」
「敬語だね……。悪い傾向だ。私にした仕打ちを忘れたのッ? 非道いわ!」
 相変わらず非道い大根芝居だ。漫才にしか聞こえないレベルだ。いや、最近の芸人はレベル高いな。
「わかったよ。じゃあなんて呼べばいいの?」
 僕が聞くと彼女はカタリと動きを止めた。
「……あの、代田さーん?」
 石化した彼女に声をかけた。
「うーん……、悩むね……。けれど、代田さんはやめてくれ」
「……わかった。じゃあ、ナナ」
「……」
 彼女は苦い顔をした。
「何だよ……」
「キミはネーミングセンスの欠片もないね! せめてナコとかにしてくれ!」
「それもどうなんだ!」
「それよりも、はやくしてくれ! 今日は私の兄の友人がやって来るんだ!」
 彼女は僕を指差した。
「きいてねえよ!」
 僕も差し返す。
「今言ったからな!」
「畜生!」
「ちなみに今日はローストビーフが良いです!」
「何であんな手のかかるモノを! せめてビーフシチューとかにしなさい!」
「えぇー」
「渡辺ェーッ!」
 やって来たのは見覚えのあるような無いような、よくわからない女子生徒だった。
「誰?」
 彼女がきいてきた。
「わかんない」
 真面目そうな女性は僕の前に立つと凄まじい形相で僕を見た。
「また補習サボるの?」
「え……」
「何だ、委員長か」
 彼女が言った。
「知ってるの?」
「いや、委員長キャラだなって」
「意味がわかりません」
 小さい声でやってるはずの僕らの会話が聞こえたのか聞こえてないのか彼女は胸ポケットから生徒手帳を取り出して僕らに差し出した。
「……『宮田 杏』」
「誰?」
 改めてナコが聞いた。
「僕もわかんないよ」
「渡辺、クラスメイトくらい憶えてよ」
「……」
 僕は頭をフルスロットルで起動させて思い出そうとした。けど無理だった。
「ごめん、ちょっと憶えてないよ」
「それは寝てるからだろう」
「そうかな?」
「このあいだ、超能力研究部が取材しようとしてたらしいじゃないか」
「え? どうなったの?」
「あなたが寝ているので帰りました! 私が学級長になったからには、あなたはもう寝させませんし、帰らせません」
 宮田はそういいながら怒鳴った。
「あれ、ミス狐田」
 そういって角から現れたのはいつかの写真コンビだった。たしか、イブキとレイジ。
「渡辺君、……どうかしたの?」
「良いところに来た! レイジ君、未来の生徒会長、宮田杏の写真を撮ってやってくれたまえ! その大層な一眼レフで! きっと一生モノだ!」
 そう言いながらナコはレイジの首から下がる黒いカメラを指差した。
「え? いいんですか?」
「あぁ、私が許可しよう」
「あの、ちょっと!」
 主にイブキの絡みに飲まれた宮田を確認すると、ナコは僕の方を向いて親指で校門を指差した。
「……鬼畜……」
「何とでも言え! 行くぞう!」
「はいはい……」
 僕らは自転車に乗って学校を出た。後ろの方からはわりとのりのりな宮田の声が聞こえた。
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