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■レッツ シー イフ ザッツ トゥルー オア ノット第二章・6



       6


 僕は力の入らない身体をゆっくり立ち上がらせようとして、こけた。
「つ……」
 まだパレードは続いているらしく、人混みは遠くの方に移動していた。
「……テレフォーン……」
 僕は呟いた。
「エニモル?」
 サイモンだった。作業着を着た細っこい体つきはそのままで優しく微笑んでいる。僕は差し出された彼の右手を掴むと、ぐいっと引っ張られ、立ち上がった。
「どうしたんだ? エニモル。こんな所で会うなんて。ヴェステン領に居たはずだろ?」
「ちょっと、出かけただけさ。サイモンは、今何をしてるの? 仕事は」
「王城でさ、まあ、いろいろやってるよ」
「王城?」
 力の入らなかった僕の身体に感覚が戻ってきた。
「あのパレード、かなり豪華だったね」
 僕がそう言うと、サイモンの顔は濁った。
「そ、そうだな」
「王城で働いてるって言ったよね」
「……あ、あぁ」
 僕の腕は信じられないほど速く動き、サイモンの胸ぐらを掴んで押しやると、彼の身体は勢いよく道路の向こう側にある建物の壁にぶつかった。
「ぐぁッ」
「知ってたんだな? サイモン!」
 胸ぐらを強く掴んだまま僕は言った。
「う、ぐく……」
 首を圧迫されたサイモンが唸った。
「知ってたんだろう? 何とか言えよ。知ってたんだろ? 彼女が! テレフォーンがあいつと結婚するって! 知っていて僕に知らせなかった。違うか? サイモン!」
「……ぅ、く、あぁ、し、知ってたさ。知って、いたよ。知って、て、お前には伝えなかった」
「どうしてだ? なぜ知らせなかった?」
「……テレフォーンが、言ったのさ。『エニモルに、このことは知らせないでくれ』。ってな。はは、ぐ、う、エニモル、てめぇな、テレフォーン、から、見限られたんだよ!」
 僕の手は、サイモンを離した。僕は両腕の拳を握りしめた。そしてリーフェルングの方へ歩こうとし、一端立ち止まって振り向きざまに何かを殴った。僕を殴ろうとするサイモンだった。サイモンは鼻血を吹きながら地面に倒れた。
 僕はリーフェルングに跨り、ポケットに入っていた防風眼鏡をつけると、リーフェルングを発進させた。もう、居たくない。ここには。
「……どうしてなんだ」
 走りながら、僕は呟いた。
 目の前には、乾いた荒野があった。
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