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■レッツ シー イフ ザッツ トゥルー オア ノット 第二章・5





 祖父の家で目を覚まして、身体を持ち上げた。身体を囓るように空気が冷たくて寒かった。身震いをした僕は首にマフラーを巻いて、頭に帽子を被って薄い牛皮で出来た手袋をした。昨日は持ち歩かなかった祖父の形見である剣も腰につけた。
 外に出てリーフェルングに跨ったとき、何かのはじける音が上空でした。空を見上げると朝から花火が高々と何個も打ち上げられている。そして、吹奏楽器の堂々とした演奏も聞こえてきた。国立の吹奏楽隊だろうと思った。
「何かのパレードかな?」
 僕はリーフェルングを走らせ、音の聞こえる方へ走った。
 王城に続くメインストリートの両脇に人がごった返している。僕はリーフェルングを置いて人混みをかき分けた。
 本当にパレードだった。
 街道の石畳の上には真っ赤な絨毯が敷かれ、少し遠いところに楽隊と紙吹雪を散らす子供達が居た。その少し後ろ。少し物騒な銃剣を掲げた部隊と、旗を持った人たちがいた。その旗はアウフの旗。金色の蛸とそれを統治する、剣をくちばしに銜えた鷹のアウフを意味する旗だった。
 国王の結婚式だ。
 国情に疎かった僕は、ワン=ケーニヒの息子が結婚したのかと思ったが、違った。銃剣や旗を持った人々を両脇に抱え、ゆっくりと歩くのは立派な馬車だった。その中に、一人の老人と、若そうに見える女性が居た。
 ワン=ケーニヒの結婚式なのだ。あの老人、また結婚したのかと呆れた風に思いながら、僕の目は釘付けになった。ワン=ケーニヒのとなり、新婦は、見たことのある気がする女性だった。
 ――黒く艶のある褐色の膚――。
 ――烏羽色の長い美しい髪――。
 ――黒真珠のような、黒い瞳――。
page3.jpg
「テレフォーンッ!」
 気がつくとその馬車の前に僕は立ちはだかっていた。
「テレフォーン!」
 白いドレスを着たテレフォーンの目が動揺したように見えた。ワン=ケーニヒも驚いたような顔をしている。
 僕の両脇を素早く兵士が取り囲み、ずるずると引きずって人混みの中に戻そうとする。僕はそれでもテレフォーンに近寄ろうとする。
「あなたは誰ですか? 薄汚い格好。早くどこかへいきなさい」
 テレフォーンが僕を冷たい目で見下ろしながら言った。
 数人がかりで僕は引きずり出され、人混みに投げられた。
 気がつくと、口からは悲鳴のような叫びが奔っていた。
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