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■レッツシーイフザッツトゥルーオアノット第二章・1

第二章

 僕は相棒の背中から降りて、ライゼエスィヒに入った。薄い牛皮の手袋を脱いで、防風眼鏡を帽子の上にずらした。
「いま戻りましたァ」
「おぉ、エニモル君、どうだった?」
 専用の書斎からひょこっと顔を出したヴェンディが言った。
「やっぱ、山賊ですよ」
「シューターもってそう?」
「持ってると思います。今はやりの連射できるやつ」
「やっかいだね」
「ですね」
 僕は広間に置いてある自分の机に防風眼鏡と手袋を置いた。
「エニモル君さぁ、ここに来てから何年だっけ?」
 ヴェンディは完全に書斎に引きこもったようだった。声だけが聞こえてくる。
「……五年ですね」
「何歳?」
「二十三です」
 言いながらもうそんなに経つのかと思った。
「老けたね……。僕もきみも」
「そうですね」
 五年。ライゼになってそれだけ経った。なのに、テレフォーンは現れなかった。
「あぁ、マック、探してたよ。きみのこと。『二人で行動するのが常だ!』って」
「あー……」
 僕は無意識に頭を掻いた。
「いつでも女の子の尻に敷かれてるね」
 というヴェンディの声が聞こえたが無視した。
「居たッ!」
 声を聞いて僕はやっぱ帰ってこなけりゃよかったと思った。
「何でそうやっていつも一人で行動したがるんですかァ?」
 銀色の髪を揺らしながら現れたマックは早くもけんか腰だ。
「何かあったら面倒でしょー?」
「何かってなに?」
「さらわれるとか?」
「きみが? だったら尚更置いていこう」
「君たち仲がいいねぇ」
 ヴェンディの声が聞こえた。今頃したり顔でコーヒーを飲んでいるに違いない。
「よく見えますか? これが」
「みえるみえる」
 書斎から出てきたヴェンディはやはりコーヒーを片手に現れた。
「メーレンさんは戻ってきてないんですか? 早く情報の交換がしたいのに」
「きみと違って馬車だから。遅くなると思うよ」
 僕は祖父がアートムングに渡したというエレクトールで動く乗り物を使っていた。僕がライゼになったときに手渡された代物だった。
「メーレンさんにはついていかなかったの?」
「あの人は強いから大丈夫なんです」
 そう言われてあることに気がついた。
「……もしかして、ただリーフェルングに乗りたいだけ?」
 リーフェルングとはエレクトールで動く乗り物の名前である。名付け親はメーレンだった。
「……」
 マックは顔を逸らした。図星だ。
「心配なら迎えに行けば?」
 ヴェンディがコーヒーを傾けながら言った。
「いや、あの人なら大丈夫だと思います」
「だよね」
 メーレンが負けることは無いというのは僕らの共通した見解だった。少なくとも、そこいら辺の山賊相手に負けることはないだろう。
「じゃあ、私はニニーの所に行こうかな」
 マックはちらちらこっちの方を見ている。
「なに?」
「ニニーの家遠いんだよねぇ」
「だから?」
「判れよ」
「いやだよ」
「やっぱきみたち仲良いよね」
 ヴェンディが言った。
「僕は、アートムングさんの所に行こうかな」
「きみも、好きだね」
 アートムングは最近ライゼを引退してしまった。
「祖父の話を聞きたいので」
 ヴェンディは口元に手をあてて考えるそぶりを見せた。
「エニモル君」
「はい?」
「送ってあげなさい」
 上司命令だから。と、ヴェンディは付け加えた。
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