■スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

■六十五頁

「……やっと、来たい場所にこれたんだ。そりゃ、楽しくなるさ」
 ルーシルアが呟くと、ドアのノックがあった。
「……どーぞ」
 すっ飛ばされた体勢から立ち上がりながらルーシルアは言った。
「よー。やっと来た」
 それは、いつかの男、ハーンであった。
「お前……」
「あ、おれ、ムラース将軍とは、師弟関係。お前と兄弟弟子。宜しく」
 差し出された右手を、ルーシルアは左手で思いっきり叩いた。
 ぱちーん。といういい音がし、ハーンは痛みで悶えながらぴょんぴょん跳び回った。
「聞きたいことは山ほどあるが……。用件はなんだ」
 おもに〈黒の国〉での事だ。
「……裁判権を得るための、戦い、あれね、明日の早朝から。もし勝てれば、その後すぐに裁判があるってさ」
 ハーンはそれだけ言うと、部屋から出ていった。
 部屋の説明もろくにきかなかったせいか、よくわからない部屋の構造に目を回しながら諦め、ルーシルアはベッドに横たわった。
「……さっさと、殺してくれればいいのに。」
 そのつぶやきは、誰も居ない部屋の中で震え、すぐに消えた。

 早朝、ルーシルアは闘技場へと向かった。ルーシルア自身、裁判権獲得のために戦う囚人を見てきた。
 本来裁判権は誰もが持つ者だが、犯罪の容疑者や参考人は、自分のてでそれを勝ち取らなければならなかった。
 プリズーンの闘技場にも似ているが、段になったところに、石の舞台があった。そこで、戦うのだ。
 石の上に上がり、剣を抜くと、現れたのは予想もしてない相手だった。
 輝く金髪。もう既に抜かれた剣からは、殺気がほとばしっていた。
「……罪人は、殺しても罪にはならない」
 いつかの自分が、呪うように、レーベンは言った。
 ルーシルアは肩をすくめた。その直後、始まりの合図が聞こえ、二人は剣を交えた。
 金属音が響き、舞台の上で二人はにらみ合った。
 直後に二人は間を取って、にらみ合った。
「……どうだ、本来なら、お前があとを継いだかも知れない、剣術を奪われる気分は」
 じりじりと二人は場所を回転させている。
「……俺は、お前のすべてを奪ってやるぞ! ルーシルア! お前が、連れてきたあの少女も! お前の命も! すべて!」
 剣呑とした事を叫びながら、レーベンはルーシルアを睨んでいた。
関連記事
スポンサーサイト

■コメント

■コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する

 

プロフィール

KANTA

Author:KANTA
Are you alien?

最近のトラックバック

ブロとも申請フォーム

ブログ内検索

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。