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■五十七頁

「……わかった。ただし、俺たちが〈碧の国〉へ行けるように、案内してくれ」
 男は殆ど頭を振るようにして頷いた。
「……よし」
 ルーシルアは、目の前にある大きな肉をひょいとつまむと、一気にほおばった。
「まただ! また、あいつが出た!」
 一人の男が飛び込んできた。
 二人はもうすでに食事を終え、うたた寝していた。
「起きてください!」
 頭を叩かれ、目が覚めた。完全に目が覚めているのがルーシルアの常である。
 サークナヤも目覚め、二人で外に出た。
 何匹かの銀狼の中に、銀のクロークを来た女が、居た。緑色の髪。
「……」
 ルーシルアは目を丸くした。それが少女だった、とか言う問題ではなく、その少女は、紛れもなく、ファンタンだった。
「ファンタン」
 強い口調で声をかけた。
 その間にも、狼達は迫っている。
 ルーシルアがちらりと狼達を見た。殺気溢れる狼である
「……お前、自分が、何をしているのかわかっているのか?」
 静かに問うた。
「……誰かと思えば。殺人鬼のあなたに、諭されるなんて」
「てめえの安い正義感につき合ってる暇はないんだ。どけ」
 ――ばちん
 狼達がことごとく情けない声を上げ、地面に伏した。
「……安い?」
 ――ぎらり。とぶ眼光。
「安いな」
 ファンタンの眼光をよけ、ルーシルアは飄々と言った。
「ここであったのが、あなたの運の尽きです。わたしは、あの人のために――」
「赤面症だったやつが言うねぇ」
「……あなたの安い挑発には、のりません」
 ファンタンが両手を掲げると、皮膚が割れ、中から金のふさふさした腕が現れた。
 巨大なかぎ爪が、音を立てる。
「のりのりじゃねえか」
 ルーシルアは剣を抜いた。
「……ですが、ここは分が悪そうです。……ついてこれるのなら、どうぞ」
 ファンタンは、石を投げようとする坑道の住民達を一瞥し、言った。
 そして、疾走した。速くはない。ルーシルアは咄嗟にサークナヤを抱え、奔った。置いてい
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