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■五十二頁

「いいや。僕の、呪いについて、……判ったんだ」
 ――きいたことない。そんな物。今まで喋ってくれなかったことに憤りを憶えつつ、それを押さえて質問する
「『呪い』?」
「僕も、初めて知った。僕には、動物を引きつけて、好戦的にさせる呪いが、あるみたいなんだ」
「そんな物、どこで……?」
「判らない。多分、山に捨てられた時じゃないかな……」
 哀しい顔で言う飼い猫を、咄嗟に見た。
「……たぶん、捨てられたんだと思う。それで、呪いをかけたんだ。僕の、母さんが」
「……なんか、ごめん」
「どうして謝るの? 離したのは、僕の方だ」
「……ほかには、どんなことをした?」
「えっと、二人で、山にこもったり、色々」
 サクナの心のどこかにひびが入る音がした。
「『二人』で……?」
 答える間に、ルーシルアが縁の上に立っていた。
「……ルー?」
「ごめん、将軍が、呼んでるみたい」
 そう言われてみれば、ムラースらしき人が手をひらひら振っている。
 ルーシルアは飛び立ち、木々の枝などを足場にしながら、そこに着地していた。
 妙な敵対意識がサクナの中で芽生えた。
 ――ルーシルアは私の猫だ。そう思いながら、サクナもベランダを去った。

「おう、ルーシルア。お嬢様との再会はどうだった?」
「み、みてたんですか」
 現在は男になっているムラースが。けらけら笑う風に言った。性別が変わるだけで、随分と印象がかわるものだ、とルーシルアは思った
「べつに。見えただけさ。ちょっとだけね」
「そうですか……」
「何か、不満があるのか」
 鋭い眼光がとび、腰の剣が何も言わぬ威圧感を放つ。
「それはさておき、明後日ある剣術大会だが……お前、明日で十五らしいじゃないか」
 胸をなで下ろし、ルーシルアはきびきび答える
「そうです」
 多分、それくらいのはずだった。
「……よし」
 にやり、意地の悪い笑み。二年間この人の無理難題につき合わされ、それをこなしてしまっ
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