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■五十一頁

「あのー……、護衛の方も変わったらしいんで、できれば、今のうちに紹介とか……だめですか?」
 誰もいない場所で、呟いた。
 沈黙。
 居るわけないよな……と思っていると、側の屋根の影から何かが跳び、自分の横に着地した。
「……ルー……?」
 黒髪。白い肌。ルーシルアその物だった。
「……」
 少し気恥ずかしそうに、ルーシルアは頭を掻いた。
 大人っぽくなったなー……。そんな所感を吹き飛ばし、サクナは眉間に皺を寄せた。
「……どこにいたの?」
「……つい、昨日、解放されたんです……」
 頭をうつむけぼそぼそ言った。
「昨日? 何で、解放されてすぐ私の所に行かないの? 来ないの?」
「……いえ、もう、昔の話だし、迷惑かな、と思いまして」
「めいわく? へえ。そんな風に思われてたんだ。この私が、たった数年会っていないだけであなたのことを忘れ、捨てるような人間だと? へぇ。そうなんだ」
「あの、その……」
「ごめんなさい」
 ルーシルアがちらりと顔を上げた。その焦げ茶の瞳が、サクナを見た。すぐまた顔をうつむける。
「……顔を、上げなさい」
 ルーシルアの叱責を恐れるような顔。
「許す」
 ルーシルアはホッとしたような素振りを見せ、またもとの影に戻ろうとした。
「ここにいなさい」
 ルーシルアは目線を漂わせ、サクナの傍らに立った。
「強く、なった?」
「判りません」
「『わかりません』?」
「わ、わからない」
 飼い猫を支配する快感を味わいつつ質問をした
「二年間、どんなことを?」
「……えっと、延々と、戦ってた。」
「二人で? 食事は?」
「うん。将軍と。一日に一回。けど、お陰で収穫もあった」
 ――ぴくり
「……強くなった、っていうこと?」
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