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■四十九頁

「やるなぁ、小僧」
 聞いたことのない声がした。
 褐色の肌をしたフラウ・ウェアがそこにいた。
 三大部族のうちの、フラウ・ウェア。男性と女性の良性を有する有名な種族だった。今は「彼女」と呼ぶべきそれが、三角耳をぱたぱたさせながら、白色の巻き毛をいじりながら、ルーシルアを見ていった。
「どうする?」
 そう言いながら、彼女をみて、サクナは目を丸くし、周りにいたレーベン達も、右手を額に当て、敬礼している。中には動揺しているのか左手で敬礼している人も居た。
 彼女はにやり、意地の悪い笑みを浮かべて周りが恐れおののく光景を眺めていた。
「……ムラース将軍……」
 黙っていたサクナが、小さく呟いた。

「……」
 無言の威圧感を出しながら、城の庭でうろうろする少女が居た。
 サクナである。
 ルーシルアを、あの傍若無人な女に取られてしまった。などと考えながら、庭をぶらぶらしていた。
 レーベンの剣術は、魅せる剣だ。だが、ルーシルアが今学ばされている剣術は、戦うための、人を殺すための剣のような気がして、いやだった。
 確かに、魅せる剣と戦う剣は近い。と聞く。
 それでも、なぜか彼が戦うのは嫌でたまらなかった。
 幸せでいて欲しかった。自分が手に入れられなかったものを手に入れて欲しかった。……剣を振るうなんて……。
 哀しい気分になりながら、庭園に寝転がった。
 青い空に雲が浮いていた。
 ぬ、っと何かが覗いたかと思うと、驚き、一気に上半身を起こして尻を地面につけたまま後ずさった。
 意地の悪い笑みを浮かべたその褐色肌の女は、三角耳をぱたぱた動かし、左腰の剣の柄に左手を添えていた。
「……ムラース将軍」
「おう、お嬢様。」
 その呼び方をされ、苦い思い出が蘇った。
 むかし、性別が男性だったムラースに一目惚れし、好きになったいいものの、次の日には女性になってしまい、サクナは酷く落ち込んだ。そんな経験を経て、両性具有というフラウ・ウェアの最大の特徴を知ったのだった。
「おい? どうした?」
 いまでは、それが本人にはどうしようもないことだと知り、心の奥底に閉じこめていたそれ








将軍初登場ですね
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