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■四十六頁

 シマトネリコの幹を手に握り、自分の歳を数えていた。十二。生まれ、それほどの時間が経ったとは理解していなかった。腰まである長い髪の毛の間から、月を眺めていた。
 母親は、美しかったのだけは、なぜか憶えていた。
 だが居ない。なぜか。知らない。知らないよ。教えてくれ。
 そう呟きながら、次から次へと増え続ける一方の虫、獣、数々の生物たちを握り、踏みつぶし、薙ぎ、叩き、蹴り、殴っていった。
 呪ってやる。呪ってやる。
 呪詛の言葉を呟きながら、周りを呪う幻想の傷みを手に入れた。
 気がつくと朝で、それが日常だった。
 今日は何か騒々しい。そう思いながらうろうろすると、開けた場所に出た。
 そこで、二人の金色に輝く髪を持つ人間を見つけた。
「……おまえは、だれだ?」
 なぜか言葉を知っていた。自分の声を初めて聞いた。
「お、おまえ、なんだ、何者だっ」
 一人のがっしりした男が銀に輝く長方形の何かを腰から出した。
「……可愛い」
 今まで黙っていたのが喋る。
「さ、サクナっ。こいつは猫とはワケが違うじゃないか」
「あら、レーベン。まだ『飼う』なんて言ってないじゃない。……あ、それいいかも。ねぇ、お名前は?」
「……なまえ?」
「そう。私なら、サークナヤ。こっちのはレーベン……っあ、ちょっとしまいなさい、それ。怯えてるでしょ」
 渋々しまう一人。
「……名無し……うーん、じゃあ、ルーシルアは?」
「……サクナ、それは一ヶ月前に死んでしまった猫の名前じゃないか。しかも雌」
「名前に性別はないの。よし。そうと決まれば、早速、お父様に報告ね」
「……こ、国王に? この薄汚いのをですか。……それは流石に……」
「大丈夫。髪の毛も切って、お風呂に入って、あとなんやかんやすれば、大丈夫よ」
「なんやかんや、って、殆ど他の人に任せるくせに。主にわた――」
「じゃ、行きましょ、ルーシルア」
 気がつけば手を握られ、引っ張られていた。

「む、むむー」
 侍女に囲まれ、サクナと呼ばれる彼女は、はさみ使ってうんうん唸りながらすっぱすっぱ均等になるるように黒い艶のある髪の毛を切っていた。
 ああだこうだ遊んだあげく、顎より少し長いところで切りそろえられた。
「んふー」






ルーシルアの出生はどこかキリストを意識してみたりした記憶があります。処女懐胎みたいなね。
父親は居ないはず。多分。
「知らないよ。教えてくれ。」
ってかなりピロウズっぽいです。意識しました。「アイスピック」ですね。

あと、性別の違う猫を名前にする、というのは「銃夢」から来ました。あぁ、持ってきたとも……(ガリィという主人公(女性)の名前が死んだ雄猫からきたものだった。詳しくはググレカスあるいはブックオフへ。)


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