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■四十一頁

 困惑する娘に、ルーシルアはふーん、と頷いた。
「旅人ですか?」
「そんな大層なもんじゃなくて、ただの放浪者」
 冗談ではなく、ただの事実だった。
「え、でも……」
 それで、すぐに察した。ルーシルアの財布のことを言っているのだろう。クンファーから貰った大金の量。普通の放浪者が持って良い額ではなかった。
 その気配を察したのか、娘が肩をすくめた。
「ご、ごめんなさい……つい……」
 ルーシルアは冷えた目で見た。その理由は、娘の行為のせいではなく、自分のこの今のありさまだった。ひどい、酷すぎる。塵芥のような有様。
「いや、べつにいいさなんだったら、やるよ」
 そう言って、ルーシルアは金の入った大きな巾着袋を投げた。
 娘は器用にそれを受け止めると、ルーシルアと巾着を交互に見た。
「やる。ここに住むかもだ。さぁ、行け」
 娘はこくこく頷いて、またそそくさ出ていった。
 ルーシルアは、ベッドの上で、また眠った。

 あれから何日経っただろうか。外はずっと晴れているらしい。たまに部屋の中をうろうろするくらいで、あとは何もしない日々が続いた。
 売り子の持ってくる食事も、たまに手をつけた。
 あとは、泥のように眠るだけだった。
「お、お客さんが……」
 売り子が、そう言った。
「酷い有様だな。」
 褐色の肌をした男だった。
「……こっちは、お前のせいで仕事が無くなった」
「ルーシルア。どうした?」
「……バッムンか?」
「あぁ、そうとも」
 男は微笑んだ。
「てめえ、仕事が無くなったほうがいきいきしてるじゃねえか」
「そうかもな」
 いつかとは違い、まさしく旧友同士の会話だった。
「サークナヤが、城に戻ってきたのは、お前のせいか? レーベンがわざわざ連れきやがった。」
「……すまん……。俺は、もう、むりだ。彼女を、〈碧の国〉へ連れてゆくことは」
 バッムンは厳しい口調で言う。
「別に、お前しかできないわけじゃない。俺でもできる。知ってるか? ここと、〈黒の国〉




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