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■四十頁

も変わっちゃいない。元々孤独だった。サクナに、出会うまでは。
 決壊したことを良いことに、いろんな物が出てくるのを押さえつけ、呪う。呪う。呪う。消えろ。失せろ。
 呪いの言葉を呟き続け、出てきた物をまた閉じこめた。
「畜生……」
 全身が軋むように痛かった。
 それでも立ち上がり、身体の傷など気にせず、雨の中を歩き出そうとした。〈碧の国〉まで。中央街道に戻り、一歩踏み出そうとした瞬間、足が止まった。動かない。何もできない。――いや――。後ろへ踏み出すことは見事にできた。動けた。
「国に……拒絶されているのか?」
 事実、それはあり得ないことだった。国外退去を命じられない限り、国に入れないと言うようなことはありえず、その命令を本人が居ないところで命じるという行為は、犯罪だった。多世界国家の〈碧の国〉において、それはないと言えた。
「……」
 死人のような顔で、森をさまよって、明かりを見つけた。
 宿を探して、見つけた宿の中にはいると、会計の娘が仰天した。そばかすのある娘だった。
「……すまん、酷く疲れてんだ。」
 示された部屋までずるずる水の跡を残しながら部屋にはいると、下半身にのみ肌着を身につけ、ベッドに横たわり、泥のように眠ろうとしたところ、ドアのノックが聞こえた。
「ごめんなさい、服の替えを……」
 何も言わず、会計の娘はずぶぬれの服を回収し、替えの肌着などを置いていった。
 一礼し、娘はそそくさ出ていった。
「……俺は、化け物か?」
 ルーシルアは、呟いた。
 そうして、泥のような眠りについた。

 泥らしく、泥のような目覚めだった。
 部屋を見ると、替えの服が消え、乾いたルーシルアの緋色の服があった。
 無言でそれに手を伸ばすと、ドアが開いて、娘が出てきた。
 一瞬の沈黙が部屋を支配すると、虫のように娘は逃げ去った。
 そんなこと気にせず、服を着た。帯まで締め、腰に一本の鞘と、一本の剣を差そうとして――やめた。
 またノックが聞こえ、適当に返すと、お盆の上に色々乗っけて、娘が入ってきた。
「あの、ご飯……」
「ありがとう。」
「え?」
「服。外は、もう晴れてるのか?」
「え、えぇ」


ここからルーシルアふて腐れ(けれどモテモテ)編が始まります

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