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■三十九頁

 短い金髪、腰にささった剣。すべてが見覚えのある姿。
「……レーベン」
 滝のような雨になり、全身ずぶぬれになりながら相手の名前を呼んだ。
「憶えていたのか。もう忘れたかと思っていたぞ。殺人鬼」
 哀しく相手を見据えて、隣でサークナヤやファンタンが驚きの声を上げるのさえ無視した。
「……」
「……お嬢さん方、近寄らない方が良い。その男は、自分の親友を殺した男だ。恋人を、自らの剣で、刺し殺した男だ」
 雨が酷く冷たく、激しくなった。
「ッ! そんなの嘘だッ」
 サークナヤが叫んだ。
「……長い金髪……青い目……お前、また同じ事を……。贖罪のつもりだったのか?」
 レーベンの問いに、ルーシルアは黙った。ざぁ、っと雨の音が大きくなる。
「何も知らないようだから、教えてあげよう。お嬢さん方。こいつはね、眼を失った、金髪の、青い眼をした可憐な少女を、何のとまどいもなく刺し殺したのだよ。邪魔だったのだろう? そう言えよ。そうなんだろ? なぁ?」
 その声は悲痛としか言えない。
「……ルーシルア……」
 サークナヤが袖を引っ張る。
「……う、嘘だと言ってくれ。ルーシル――」
「嘘じゃないさ。なぁ。そう言ってやれよ。ルーシルア。」
 雨で、何も見えなくなった。木も、地面も、誰も、自分の足と、袖を引っ張る何かだけが見えた。
「……サクナ……俺は……」
 ルーシルアが言った瞬間、レーベンの眼が怒りで燃えた。白い歯をむき出しにし、一気に駆け、サークナヤを突き飛ばしたかと思うや、ルーシルアを蹴倒し、ふんじばるように胴の上にのった。
 ルラムがかつてはなったような物とは違い、強烈な拳が飛ぶ。そう理解してまた飛んでくる拳を、ルーシルアはただただ受けた。
「お前はっ、貴様はっ、お前はっ……お前はァぁあぁあ!」
 悲痛の叫びが聞こえた。ファンタンがふと視界に入った。
 ――冷たい目。さげすむような目。鋭く刺すような目。ルーシルアの意識はとび、眠った。今度こそ、本当に何も見えなくなった。

 口の中に雨水が溜まり、呼吸ができなくなって目覚めた。全身土砂で埋もれている。横を見ると、ファンタンの仮面が、そこに置いてあった。
「……」
 きっと、サークナヤも居ない。なに、最初に戻っただけだ。振り出しに、戻っただけだ。何




クライマックスですねー。
最終章突入、といった感じで
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