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■三十二頁

なっていく呪いなんだ。物を手から離せば重さは戻るが、あいつはそれを何とも思っちゃいない。天性の馬鹿力でな。その強烈な一撃を、衝撃だけで家を吹き飛ばすことのできるあの一撃を、お前は、どんな手品を使って、跳ね返した? そして、なぜ受け止めた? 攻撃方法はいくらでもあったはずだ」
 エネトゥスの質問に、ルーシルアは首を傾げた。
「わからないんだ。戦う時は、殆ど何も考えてない。多分。思考の及ばないところで、剣を振るってるんだと思う」
「……天性の、馬鹿だな。」
 エネトゥスは言うと、立ち上がった。
「あと、お前の流派は、バリギウス系じゃないか?」
「……」
 図星だった。それをさも当たってない風に装った。
「あの、レーベンと同じ流派だ。そうだろう?」
 ルーシルアの答えも待たずに、エネトゥスは宿を去った。

「今日は、週に一度の懇願の日でね」
 壮年の市長は、服装を整えながら傍らにいる二人に言った。おそらく、ルーシルアに向けて言ったのだろう。
 大きな鏡の前で、市長は礼服のゆがみなどを気にしながら、後左右にいるシャンとルーシルアに言う。
「中には、こういう日を狙って、何か企む者も居るようだ。そのときは、頼む」
 鏡に映る市長が、自分を見た。
 何の反応もせずにいると、シャンが睨んだ。
「まぁ、頼むよ、アファン君」
 なぜか背筋に冷たいものがはしった。
 直感が告げる。――こいつと居ると、ろくなことない。
「お時間です」
 シャンが告げた。
「お前達は、隅の方にいなさい」
 市長は、シャンの案内する壇上に上がった。シャンは懇願者から見えないところで立っているらしかった。ルーシルアは目立たないところに立って、暇だな、口笛でも吹こうか。それよりも何か楽しいこと――
 税金を下げてくれ。路上で店を開くことの許可を。規律が厳しすぎる、もっと緩和してくれ。ジャッジが無駄に威張っていて困る。そんな懇願者達の叫びを、鉄壁の笑顔と、氷のような冷たさで次々に弾き飛ばす市長。
「ここに、市の長に問おう!」
 懇願のこと如くを聞き逃していたルーシルアの身体が痙攣したように大きく震えた。聞き覚えのある、声。紅い神服が、近づいてくる。神官とは思えない、口に煙管をくわえたその姿。





ムラースの剣技がバリギウス系で。けど、彼女の剣技は原形をとどめないほどに崩してるので、けっこうばれない。
しかし人に教えると、ばれるようですな。
レーベンは自分からムラースに教えを請うた、あるいはいきなり強い剣士になったので、有名になったんでしょうね。

ちなみに、バリギウスというのは剣術の系統。
〈白の国〉の古典剣術で、多分、何世紀も前の剣技ですが、今も続く流派。ちなみに初代をのぞく歴代師範が弱いことで有名。理由は有名な事にのっかって何もしてないから。
初代師範は強かったようで。奥さんも強いですよ。ムラースさんですからね。一番弟子にして妻。
初代師範が亡くなってからは結婚していないところを見ると、なかなかのラブラブっぷりじゃなかったんすか? あと、純愛ぶりですねぇ。
ちなみにその頃のムラース、1,2世紀生きているものの、端から見れば犯罪夫婦でしょうね。
幼女。……少女と、オッサンですもの。犯罪ですよね(何
子供はいないよ。いない、いない。理由は考えてないけどさ。

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