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■三十一頁

 エネトゥスは紅茶から目を離して、またルーシルアを見た。
「お前、歳は?」
「十八くらいだ」
 エネトゥスは思案するような顔になった。
「その若さで……」
「言われると思ったよ」
「お前ほどの歳でそのような力を持つ、と言うことは、かの〈碧の国〉一の剣士、レーベンに勝るとも劣らないだろう。」
 レーベン。その名を聞いて、ルーシルアの深く閉じ止めていた物が、決壊しそうになった。
 ――ルーシルア……。
 ――ルーシルア……。
 幻聴だ。そう自分に言い聞かせて、そのこだましては消えゆく大切なものを呪った。
「――ルーシルア?」
 エネトゥスの声だった。
「あ、あぁ、どうした?」
「聞いていたのか? ……体調でも悪いんじゃないのか? 顔が、真っ青だ。」
 唾を、呪いを、決壊したところからはい出てきたすべてを呑んだ。呑み込んで、蓋をした。
「大丈夫だ。」
「ヘッ。まるで顔が深窓の令嬢みたいだぜ。あんたみたいなのに負けたって言うのが、やっぱり、信じられねェ。あんたみたいな、優男にさ」
 エネトゥスの後で腕を組んでいたルラムが言った。
「まるで二人の人間が居るみたいだ。かっこわるいぜ、あんた」
「ああは言っても、心配してるんだよ」
 ルラムがさっきの一言で宿を飛び出した後の、エネトゥスの言葉。どこか、やさしい言い方だった。
「そりゃ、どうも。あいつは、あんたが教えたんだろう? 剣の筋だとか、線とかがそっくりだ。」
 ルーシルアが言うと、エネトゥスは苦笑した。やはり、ばれるか、と言う風だった。
「だろう。ばれると思った。あぁ、そうか。こんなにも容易くばれるとはね」
「一見して違う様に見えるが、その実似通いすぎてる。剣術としては全く逆の方向性にあるのに。」
 それは、エネトゥスが技術や技で敵を倒そうとするのに対して、ルラムが一撃必殺、猪突猛進、そのものといっていいような剣を振るおうとしていると言うことだった。
「癖も、師匠からは受け継ぐんだな」
 エネトゥス、ルラム師弟の一連の癖は、ある一定の周期的な動きを取ると言うことだった。ルラムは踵を上げ下げし、エネトゥスは呼吸がそれだった。
 エネトゥスは恥ずかしそうに頭を掻いた。
「じゃあ、俺からも。ルラムにはある呪いがあって、それは手に持つち続ける物が延々と重く









ルラム、エネトゥス師弟はけっこうすき。
特筆事項ないけれども
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