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■二十五頁

「……どうした? サクナ」
「腕は、もう大丈夫ですか?」
 部屋の隅にいたファンタンが眉間に皺を寄せながら言った。
「お前達……今日の戦いを見てたのか?」
「ルーシルア……本当に良かった……」
 サークナヤはルーシルアの胸の中で呟くように言った。
「これも、クンファーが考えた計画の内だからさ……。心配は要らないよ」
「でも……もし、死んでしまったら、わたしは」
「大丈夫だ」
 自分にはそれしか言葉が無いのかと自分を呪った。それ以外の言葉を、自分を本当に心配してくれている少女に向かってかけることができなかった。
「ほんとう?」
 サークナヤの透明な瞳がルーシルアを見た。
「あぁ」
 ドアが開くと、クンファーが部屋に入ってきた。
「……」
 クンファーの眼が怒りで燃えていた。虚空を睨み、この世のすべてを憎んでいるような眼。
「……計画通りに、行ったか?」
「まあな」
 サークナヤがルーシルアから離れた。何も言わず、髪の毛を帽子で隠して部屋から出ていった。
「ファンタン」
 ルーシルアがファンタンと眼を合わせると、ファンタンは頷き、風のような速さでサークナヤを追っていった。
「くれぐれも、忘れるなよ」
 クンファーが言った。眼は未だに空を睨んでいる。
「あぁ」
 何があったのか、それは聞かなかった。この男は、今日囚人となった恋人に面会しに行ったはずだから、きっとそこで何があったのだろう。
「身体を、休めておけよ」

 物音がしなくなり、ミミズクがなきやむ頃、ルーシルアはベッドの中で目を開けた。
 起きあがろうとした瞬間、自分の両端に誰かがいるのに気がついた。
 右にはサークナヤが寝息を立て、左にはファンタンがうずくまっている。
 さてどうしたものか、いや、もしかすると俺の呪いは人間の引き寄せるのかも知れないなどと思いながら、右腕を下にして、起きあがろうとした。傷の痛みは無い。
 暗闇の中に、紅い神服を来た男が月明かりに照らされ、居た。
 その光景にすこし驚き、クンファーであることがわかった。










色男ー!

サークナヤが髪の毛を隠しているのは毛の色が王族の金だからです
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