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■十二頁

「そんな鉄壁の都市だと思われてるところに、旅人は嫌われる。その上、ドレスを着たお嬢さんなんかが入ってきたら、確実に怪しまれる。だから……」
 そう言うと、腰にある大きな袋の中から、布の塊を放ると、言った。
「……それに着替えてきな、お嬢さん」
「ファンタン、見張ってやれ」
 ルーシルアがそう言うと風が吹き、となりにファンタンが現れた。さっきまで被っていたフードが取れている。そのことに気がついて、さっとフードをつける。それを凝視する二人。ファンタンの顔がみるみる紅くなる。
 そうして、疾風の如く走り去っていった。
「あー」
「……妖獣か?」
「そうだよ。なんだ? 神官のくせに、差別か?」
「いいや。良かったな。『妖獣』が人間と同じ知的生命体と認められたのは、つい最近だ。認められてないのに都市に入れば、即刻殺害の対象になる」
「へぇ」
 そう言うと、クンファーは煙管を取り出し、火皿に火をつけた。
「……神官のくせに吸うのかよ」
「ガキの前だったら吸えないだろ。吸うか?」
「いらね。臭いだけだ」
 クンファーは「それもそうだ」と笑った。
「ちゃんと、名前を言っていなかったな。おれは、クンファー・ゴドーク・インケージ」
 クンファーが煙を吐き出す。ゴドークというミドルネームは、神官のみ許された神に仕える者の証だった。
「おれは、ルーシルア・シンズ・アファン」
 そう名乗った瞬間に、クンファーが煙を吹き出したかと思うと、屈託なく笑った。
「『シンズ』? 面白い冗談だな。罪人のミドルネームか。」
「いつか、そうなる予定だ。」
 クンファーがルーシルアを睨む。「まさか」と言いたげである
「……」
 茂みからサークナヤとファンタンが出てきた。
 くすんだ緑色のパンツ、丸首でめりやすの黒いシャツ。金髪を隠すための帽子。裾も丈も袖も、すべてが長く、不格好だった。
「プリズーンじゃ、金髪は目立ちすぎる」
 煙草を消したクンファーの一言。
「たっく、裾が長いな」
 そう言いながら、ルーシルアはしゃがんでシャツとパンツの裾をめくってやった。サークナヤが抵抗する
「サクナ」



サークナヤの傷の秘密は後ほどわかるはず
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