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■十一頁

 だが、それを断るほどルーシルアの財布は安定していない。
「……わかった、わかったよ。何をすればいい?」
「それは、例の街に着いてから話そう」
 そう言うとクンファーは中央街道をはずれた森の中へ歩を進めた。
 渋々、あとを着いていく二人。
「ファンタン」
 クンファーがまだまだ見える程度に遠ざかって、ルーシルアは呟いた。
 風が巻き起こり、地面の土や落ちた葉が浮く。
「なんですか」
「あいつ、どう思う?」
 瞠目するサークナヤを気にせず、ルーシルアはファンタンに尋ねた。
「……神官であることは、間違いないようです」
「ルーシルア! こいつはいったい?」
 サークナヤが叫びながら言う。
「紹介してなかったか?」
 白々しく言う。
「こいつは、俺の……知り合いだ。ちょっと行き先が同じだから、着いてくることになった、風の精の、ファンタンだ」
 また出た白々しい嘘に今度はファンタンが瞠目する。
「……よろしく、ファンタン」
 まんまとだまされるサークナヤに唖然とするファンタン。
「よ、よろしく」
 呆れたように答えた。
「おい、どうした?」
 神官が聞く。その瞬間ファンタンは風となって消え失せた。
「いや、なんでもない。すぐに行く」

「ここが、山岳都市・プリズーンだ」
 鋭角的な崖を背にした白い石壁で囲まれた白い街がそこにあった。階段のように広がる都市の風景。しかし、そのすべてが機械的だ、とおもった。
「プリズーン? 聞いたことあるな。どの国にも属なさい正義と秩序の山岳都市だったか? たしか、宗教的、倫理的、いかなる概念も通用しない『ルール』のみに支配される、機械と鉄壁の心を持った人間しか住めないような場所だ」
「そのとおり。だが、良いこともある。確実にここは安全だし、差別、格差、そんな物は一切ない。都市から言われた仕事だけをやれば、金が貰える。」
「まるで犬だな。白い面を主張する分、裏に潜んだ暗闇は深くて息もできないだろう」
「そのとおりだ。この都市には、闇の面が濃く、ハッキリ存在している」
 二人が顔を険しくさせながら言った。

前回説明し忘れてました。
ルーシルアが雨上がりに見た幻亭の看板を持ち帰りますよね?
あのあと、かれは碧の国に同名の酒場を作っているのです。
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