■2010年02月

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■レッツシーイフザッツトゥルーオアノット・第一章・5(6、7)

夜になってから首都行きの馬車に乗り、動き出した馬車の中から見送ってくれたヴェンディとマックに手を振った。
「あっというまだったね」
「……そうだな」
「ライゼになったんだ。だからさ」
 テレフォーンの視線を感じた。表情は暗くてよく見えない。
「ずっと、遠くまで、一緒に行こう。この世の果てまで」
 馬車の中がしんとなった。僕は何か変なことでも言ったのだろうか。
「馬鹿なこと言ってないでさっさと寝ろ!」
 テレフォーンは叫んだ。





 早朝、首都に到着した。
 行き慣れた坂道を登って学校の中庭に回ると、もうみんな集まって、試験官までいた。
「来たな」
 試験官の肩には鷹がとまっていて、鷹の足には紙が括りつけてあった。
「全員そろったところで、結果発表を行う」
 なぜかどんよりとした空気を無視して試験官は鷹の足に括ってあった紙をほどいて結果を述べた。
「合格、エニモル=ティア、テレフォーン=パピーアのみ。他の者は不合格となった」
「不合格? みんなが?」
 僕はつい言ってしまった。
「そうだ。エニモル」
 初老の試験官は厳かに言った。
「うそだ! 何かの間違いです!」
 僕は叫ぶが、眼のあったベイビーが静かに首を横に振るので、僕は黙りこくってしまう。
「両名に関しては、これから王への謁見を開始する」
「王への?」
「そうだ。一度の試験に二人も通るのは希だからな」
 試験官は言った。
「エニモル、また、いつものとこでな」
 顔に生気のないサイモンが僕に声をかけ、みんな中庭から出るのが見えた。いつものところ。つまり僕らの集まる酒場、バックシートドッグで会おう、と言うことだ。
「それでは、いこう」
 試験官が僕に言った。僕はただ試験官の後ろについて行った。
 王城は首都のちょうど真ん中に位置する巨大な建物で、中には貴族や王族が住んでいるという口承だが、実際のところ住んでいるのは王族だけで貴族は存在しないと言う。王族はまつりごとを仕切りこの国を良い方向へ導いているという。しかしその情報がこちらに入ってくることはなく、そのせいか悪い噂ばかりが立ってしまう。今から謁見するという国王、ワン=ケーニヒも悪い噂が絶えない。かなりの高齢にして女遊びが激しい、とか。
 王城の最上階、階段を上った廊下の突き当たり、黄金で縁取られた真紅の扉が僕らを迎えた。
「ライゼを連れてきました」
 先頭に立った試験官は扉に向かって言った。すると、扉が一人でに開いた。
 試験官は気にした様子もなく入っていき、僕はとなりにいるテレフォーンの手を引いて入った。入ってみてわかったが、どうやら侍女が扉を開けてくれたらしかった。
「リーベフントか」
 巨大な玉座に座る端整な顔立ちの老人が言った。頭に掲げられた王冠を見て、彼が王だとわかった。彼がワン=ケーニヒだ。
「はい」
 試験官が片膝をつくので、僕らもそれに倣った。
「二人か……。今年は多いな」
「アートムングからの推薦状も添えられていました。エレクトルプッペを倒す学生を不合格にする理由がない。と」
 あのぼんやりした老人の顔が浮かんだ。きっと推薦状を書いたのはヴェンディではないだろうか。
「アートムングか。また懐かしい名前だ。先代にあいさつをしに来ていたあの男も、今では立派な老人か……」
 国王は腕を組みながらうんうんと頷いた。アートムングと国王とではどちらが老けているのだろうか。
「おい、……エニモルと言ったか」
 急に話をこちらに向けられて、うつむきかけていた顔を咄嗟に上げた。
「はい」
「良いところに送られたな。少年よ」
 僕は縮こまって頷くことしかできなかった。
「ロッキーの養子か……」
 呟く声が聞こえた。きっと国王の声だ。
「きみ、もう下がって良いぞ」
 そう言われたので僕は立ち上がり、一礼してからテレフォーンに声をかけた。
「行こう。テレフォーン」
「いや、まて!」
 王が力強く言った。
「その少女は残れ」
 なぜテレフォーンだけ残すのだろう。その疑問は口に出すことなく消えてしまった。
「じゃあ、テレフォーン、バックシートドッグでね」
 それでもテレフォーンは顔を上げなかった。
 廊下に出てから扉を閉めようとしたとき、テレフォーンの黒真珠のような瞳と視線がぶつかった。彼女はこちらを見ていた。助けを求めるように。
 それなのに、僕は扉を閉めた。
 なぜ、国王はテレフォーンを残したのだろうか。
 そう思いながら馴染みの扉を開けた。バックシートドッグの扉だ。
 扉を開けた瞬間、きつい酒の匂いがした。まだ昼前なのに。
 従業員はしかめっ面をしながら給仕しているのを見て、僕は一瞬帰ろうかと迷った。だが、べろんべろんに酔ったベイビーやサイモン達に見つかり、むりやり座らせられた。
「まさか、落ちるとは思わなかったよ……」
 サイモンが言った。顔が真っ赤である。
 そこまで言われてやっと、これがやけ酒だとわかった。
「ほんと、何がいけなかったのかな……」
 ベイビーが言った。僕も酒杯を受け取りながら、その愚痴に付き合った。
「ベイビーはどうせ酒でも呑んだんれしょ」
 エスタが言った。珍しくエスタ、ヘルセイも呑んでいる。いつも酒は呑まないのに。
「呑んでねぇよ。ちょっと呑んだけど」
 ヘルセイが「それよ! それ」と言った。あたたかな空気に見えるだろう。それが僕には、酷く冷たいものにみえた。僕だけ合格したんだ。僕とテレフォーンだけ。
「くそう、こんな事なら真面目にやっとくんだった」
「なんで落ちたのかな……」
 いつもは喋らないホイテさえもぶつぶつと愚痴を言う。
「エニモル!」
 ベイビーが立ち上がった。それにつられて僕も立ち上がってしまう。
「頼む!」
 そう言って彼は僕の右手を掴んで両手で握った。
「俺は、俺を育ててくれた両親のためにライゼになろうと思ったんだ……。お前は、お前は、俺たちの、希望なんだ」
 気がつくとみんな立ち上がっていた。そして僕の手を握った。
「ライゼ、頑張れよ」
 視界がぼやけた。左手で涙をぬぐいながらみんなの手を握った。
「なります。ぼぐは、りっぱな、らいぜに、なります! かならず、みんなが、むねをはれるような、ライゼに、なります! ……必ず……!」
 もう何も見えなかった。ずっと、頬を涙がつたっていた。





 気がつくと、朝だった。円卓を囲むメンバーは一人かけたまま全員が突っ伏している。
「……テレフォーン……」
 僕は上手く動かない体を引きずって家まで行った。家にも、テレフォーンはいなかった。町中を歩き回ってバックシートドッグに戻ると、みんなが円卓を囲んでいた。今度は酒を呑んだりはしていないようだった。
「居たか? テレフォーン」
 どうやら筒抜けだったらしい。僕は首を横に振った。
「そっか……」
 ベイビーは哀しげな顔をした。彼女も、彼らにとって希望なのだ。
「おまえ、あいつが居ないとダメだからな……」
 一言余計だ。
「いつ、正式にライゼになるんだ?」
「えっと、さっき家に帰ったらヴェステンの方から手紙が来ていて、明々後日ごろには来て欲しいんだって」
 テレフォーンを探して家に帰ると、手紙が届いていたのだ。合格届と同時に速達で出したようだった。
「やったな。ライゼの試験に合格しても雇ってくれるところはそう見つからないらしいじゃないか」
 それはヴェンディからも聞いた話だった。
「……俺たちに、任せとけ」
「え?」
「テレフォーンは、俺たちが探してやる。だからお前は、家で準備してろ」
「でも」
「心配すんな」
 ベイビーはぽんと僕の肩を叩いた。
「おまえは、どんと構えとけばいいんだよ」
 僕は頷くしかなかった。
 結局、テレフォーンは現れなかった。

pege1.jpg
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■Shot Sight her

「もうちょっと右かな」
 僕は狙いを定めながら言う。
 川のほとり。
「けどそれだと家が入っちゃうかもよ」
 冬というせいもあって枯れた木の前。黒く塗りつぶされた四角の中で彼女らはしかめっ面だった。
「良いからはやく撮ってよ」
 今まで黙っていたランが言った。
「いや、でも、うぅん」
 重たくて黒い、今時はやらないフィルムカメラをぶら下げて、僕は写真を撮っていた。
「はやくー!」
 黒髪のイブキが僕を急かした。
「……うん。わかったよ」
 僕はシャッターを切った。どこか違和感があった。
 その音を聞きつけて彼女らは僕のカメラに群がる。
「どう? 上手くとれたぁ?」
「現像してみないと判らないよ」
「そっかー」
 イブキは残念そうだった。
「でも、どうしていきなり?」
 ランは首を傾げながら言った。
「今度、学校で、文化祭があるじゃないか」
「あるねー」
「あ、そうなの?」
 僕らは幼馴染みだった。高校生になってランだけは別の高校に行き、様々な理由もあって僕らは久しぶりに会ったのだった。
「それで写真展があるんだけど、出してみようかなって」
「ふうん」
「なるほどねー」
 ぱちん。とランが手を叩いた。
「私達をわざわざ呼んだって事は、何かしらお礼をしてくれるんでしょう?」
「え?」
「そういえば、そこのコンビニでウルトラマンソーダが売ってたんだよねぇ」
 イブキがすぐ近くのコンビニを見ながら言った。
「わたしは、肉まんが食べたいな……!」
 ちらちらと、彼女らは僕の方を見てきた。僕はカメラをケースにもどし鞄の中に入れた。
「しようがないな……」
 僕が観念すると、二人は手を合わせてきゃいきゃいはしゃいでいた。
 コンビニに向かう途中。イブキは僕の隣にやってきた。
「なんで、写真なんて撮ろうと思ったの?」
「……なんでって言われても……。人が輝いてる姿を、写したいんじゃ、ないかな」
 彼女は腕を組んで感慨深げに頷いた。
「……なんだよ」
 後ろの方からランの鼻歌が聞こえてくる。I'm just looking for one Divine hammer.
「私達にプリンをとられて泣いていたきみも、大きくなったか……」
「うるさいよ」
 コンビニの中に入る。
「人が輝いてる瞬間ってさぁ――」
 イブキに冷えたウルトラソーダ、ランに暖かい肉まんを買ってあげた。コンビニの外で食べる。
 イブキがウルトラソーダの外側に書いてあるウルトラマンセブンの設定やらを読み、腰に手をあて銭湯で牛乳を飲むおっさんよろしく一気に飲み干した。
「ッぱはァー」
 満足げな顔。そして、寒風が吹く。彼女はぶるぶる震え、隣を見た。
 隣には携帯電話をいじりながらランが湯気の上がる肉まんを頬張っていた。
 イブキは、肉まんを凝視する。
 その視線に気づいたのかランはため息をついて、肉まんを差し出した。
「……食べるの?」
「たべます、たべます」
 イブキがあんぐ、と口を開けて肉まんに手を伸ばす。
 僕は、咄嗟に――『人が輝いてる瞬間ってさあ』――カメラを取り出した。――ピントを合わせ――『生きてる、瞬間じゃないかな』――シャッターを切る――。

8166.jpg

「あー! なに撮ってんの?」
 ランが言った。どうやら不意打ちがいやだったらしい。
「はふはふはふはふ」
 イブキが何かを言う。しかし口には肉まんが入っているため、何を言っているのかが判らない。
「……っと。……輝いてる瞬間、見つかった?」
 肉まんを呑み込んだイブキが言った。
 僕は、迷わず、頷いた。
「そんなことより、次はフランクフルト!」
 ランが、僕の腕を掴んで言った。
「え?」
「『え』じゃないよ。イブキも、行こう」
「わあい。フランクフルトだ」
「……え? ……えぇ……?」



thank you、Guest Artist 零狐乃助
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■レッツ シー イフ ザッツ トゥルー オア ノット 第一章・4




「エニモルッ!」
 テレフォーンの一喝。戻る意識。乾燥した枯れ山の巨大な岩に座って、ぼんやりと朝のことを思い出していたのだ。あの笑みはどういう意味だったのだろうか
「ごめん。考え事してた」
「本当に?」
「……考え事と言えば、考え事かな」
 テレフォーンがひょいと地面に落ちていた石を拾った。
「試験に関係ある?」
「ありません」
 満面の笑みで全身に力を込めているのだから、下手な言い訳をすればきっとあの石が飛んでくるに違いない。
「……」
 テレフォーンは一度ため息をつくと、死体が落ちていた場所の上にある切り立った複数の崖を調べた結果を要点に絞って教えてくれた。実はテレフォーン、こういうのがかなり上手いのだ。
 共通点は全て崖の上から落とされ、崖は場所こそ違えど、地理的には全てベルクと呼ばれるこの不毛な荒野地帯でおきたと言うことだった。
 そして、テレフォーン曰くさらにもう一つあるらしかった。
「ベルクを表徴する枯れ山。つまり私達の居るここと、事件の起きた場所を線で結ぶと、その線は半径になるんだ。つまり、えっと……」
 僕の真横に座って地図を指差しながら彼女は説明してくれたが、急に言葉が詰まった。
「……つまり、場所が全て等距離って事?」
「そう、そうだよ。その通りだ」
「はやいな。予想外だ」
 テレフォーンが咄嗟に立ち上がって真後ろである山の来た道をふり返った。僕も立ち上がってそれを見ると、メーレンが居た。
「気づくのに、あと二、三日かかると思ってたのに」
「あいにく、学校で馬鹿やってるだけじゃないのさ」
「へぇ。じゃあ、もうかえりな。ここは危ないってわかったろ? お嬢ちゃん。ヴェンディはその報告で納得するだろうからよ」
「試験内容は目標の破壊。書類をまとめる事ではないので。……メーレン、あなたさまの武器は、シューターですかね?」
 相手の気を逆撫でするような物言いに、僕は冷や冷やしていた。嫌な汗が額をつたった。
「……」
 だが、メーレンの表情が急に険しくなった。同時に気がつけば両腕を差し出している。と思えば手には奇妙な形のシューターがあった。短い銃身に太い柄。その柄がおわったところに鍔があって分厚い刃の短剣が鈍く光っている。シューター? いいや、シューターのはずだ。いいや。そんなことをのんきに言ってる場合じゃない。シューターの銃口は明らかに僕らを狙っている。まさか、メーレンがこの事件の。
 考えていた時、何かが僕を吹き飛ばした。吹き飛ばしたのはメーレンだった。あの一瞬だけでここまで動いたのだ。
「立て! 立ったら逃げろ!」
 僕はメーレンの言っている意味が理解できなかった。この人は、色んな人を殺していて、それがばれそうだから僕らを殺そうとしていたはずだ。
「ぼさっとするな。にげろ!」
 僕は首を横に振って様々な物を思考や五感から吹き飛ばし、メーレンが対峙するものをみた。
 白い、巨大な蜘蛛だった。だがそれは蜘蛛のような生き物らしさは感じられない。
「エレクトールで動く人形だよ。こいつが殺してたんだ。わかるか? どうせわかんないだろうからその気絶してる生意気な嬢ちゃん連れて逃げろ。ガキ!」
 隣をみると、テレフォーンが痙攣しながら気絶している。外傷はなかった。
「エレクトルプッペだ! くそったれ」
 メーレンはその横で叫びながら次から次へとシューターとは思えない連射を見せている。よくわからないがベルトに付いている弾丸であるエレクトールタウに銃身を押しつけてリロードしているように見える。片手で撃っている間に片方の銃弾をリロードしてそれを撃って、その間に、という感じだった。
 僕は言われたとおりに無傷なのに気絶しているテレフォーンを担ぐと、山の入り口に向かってゆっくりと歩き出した。
 だがすぐに、何かのばらまかれる音がした。
 振り向いてふぐにわかった。メーレンの予備のエレクトールタウだった。当のメーレンは蜘蛛の足に踏まれている。
「メーレンさん!」
「さっさと帰れガキ!」
 蜘蛛の足が硬直して何かを吐き出した瞬間、メーレンの体は大きく痙攣し、彼女はぐったりとした。
「メーレッ――」
 蜘蛛の手前についている足が持ち上がると、こっちを向いた。背筋が凍り、何かが身体を貫く中、あの八本の腕がそれぞれシューターなのだ。――相手を気絶させる効果を持った――と気が付いたが、遅すぎた。
 乾燥した赤土に顔を埋める瞬間、祖父の形見。自分が今堂々と腰に下げている二対の剣が目に入った。
 わけがわからなくなっていると、どろりとした何かが頭の中に流れ込んできた。
 ますますわけがわからなくなって土の匂いを嗅いでいると、蜘蛛人形の動く音が聞こえてきた。このあとどうなる? 殺される。間違いなく、僕も、みんなも。
 ――だったら、これに頼るしかない。
 土の匂いを嗅いでる場合じゃない。僕は跳ね起きた。蜘蛛がおののいた様に見えた。人形なんだから、そんなわけ無い。僕は地面に落ちているエレクトールタウをごっそり片手で拾うと、祖父の形見を抜いた。気高い銀色一色の剣。鍔についている六つの小さな円柱形の飾りにエレクトールタウを差し込む。もう一方も同じようにしてエレクトールタウを差した。
 二対の剣の――どうしてこんな事をしているんだろうか。――柄の終わりを、繋げた。
 本来なら繋がるはずがない。だが、繋がった。柄は一本で刃が両極にある奇抜な剣。だがそれは正解らしかった。円柱形の飾りが下がり、刃が刀身からずれ、内部の構造が少し露わにある。そこから、エレクトール特有の青と黄色の光を両極の刃から発生させていた。なぜ出来たかわからない。けど、偶然じゃない気がした。
 僕は蜘蛛の足下に踏み込んだ。
 いける。剣を薙いだ。
 蜘蛛の方が一歩速く、剣は青い光の残像を残しながらかすっただけだが鋭い傷跡を蜘蛛の身体に残している。
 蜘蛛は身体を四本で支えると、残りの四本はこちらに向け、シューターとして弾丸を放った。
 僕は打ち落としていたがらちがあかなくなって剣を持っている右腕を突き出してそのまま剣をぐるりと回転させた。剣は黄緑色の光の残響を残しながら、向かってきた弾丸を盾のように弾いた。
 そのまま不安定な格好でシューターを撃つ蜘蛛の懐に潜り込み、斬り込んだ。まともに避けることができなかった蜘蛛は腕の半分を失い、地面に落ちた。蜘蛛の顔が僕を見ているのがわかった。
 その顔に、剣を突き立てた。



「首の鎖を取りたがるのは、強い奴か、ただの馬鹿だ」
 冷たい暖炉の前、祖父は暖かく言った。
「僕は馬鹿なの?」
「鬱陶しいものを取りたいと、私も思う」
 皺だらけでかさかさの堅い手が頬に触れた。
「本当に強い人は、愚かなことはせず、常に周りの人のことを考えている――」
「――私は、愚か者だと思うか?」
 なぜそんなことをいうのだろう。僕は何も考えずに否定した。
 祖父は何も言わずに微笑んだ。

 祖父が河で浮かんでいるのがみつかるのは、それから数日してからだった。



 目覚めて最初に見たのは紅い夕日に染まる空と、僕を見るテレフォーンだった。
 そのあと、どうも揺れていると気がついて、きょろきょろした。そして自分が馬車の上に寝かせられているのだと気がついた。
「マック、起きたよ」
 そこまで経って僕はテレフォーンの膝の上で寝ているときがついて飛び退いた。
「やっと気がついたんだ」
 テレフォーンは意地の悪い笑みを浮かべた。
「一番の立て役者なのに、また随分と寝てたな」
「つかれたんでしょう」
 前の座席には煙草を吹かすメーレンと馬車を操るマックがいた。
「もっと飛ばせよ。マック」
「一頭立てじゃこれが限界です」
「あの、蜘蛛はどうなったんですか?」
 僕が言うとマックは前を向いたまま説明してくれた。
「あなたが倒したようです。状況的に。そして私はあまりにも帰りが遅いので山に迎えに行けば蜘蛛人形の残骸と倒れたあなた方を見つけました」
「焦っただろ?」
 頬杖つきながらけだるそうにメーレンが言った。
「かなり。……メーレンさんはともかく、受験生死なせたらまずいですから」
「殴るぞ」
「それは勘弁してください」
 それ以降、会話はなかった。太陽が紅く照らす中、黒い馬車は荒野を進む。
 僕は愚か者だろうか。メーレンさんの命令を聞かずに、敵と戦った。
 死ななかったから良いじゃないか。
 とりあえず今は、そう思うことにした。
 割と速くライゼエスィヒについた僕たちはヴェンディに報告することになった。
「倒した? まさか」
 半信半疑である。エレクトルプッペと呼ばれるあの人形達はそう簡単に倒せる物ではないらしい。
「倒してた。あたしがねてる間に」
 メーレンは壁に寄っかかりながら言った。
「本当に? ……だとしたら、採用決定だな」
「採用?」
「ライゼには活動拠点があるって言うのは有名だけど、ライゼの試験に合格しても拠点の採用がないとライゼとして活動できないんだ。だから、合格と採用両方取れて良かったね」
「ほ、本当ですか?」
 つい声が大きくなってしまう。
「うん。けどとりあえず合格通知送ったからそれ取りに首都に帰りなさい」
「わ、わかりました」
 ライゼエスィヒを出ようとすると、ヴェンディが引き留めた。
「今は馬車ないだろうからもうちょっと待ちなさい」
「……はい……」

■レッツ シー イフ ザッツ トゥルー オア ノット第一章・3




「エニモルさん」
 誰かが僕を起こした。
 夜だろうか。いや、エレクトールの明かりにしては明るすぎる。窓を見ると、朝日が差し込み、鳥が羽ばたいていた。朝だ。
「おはようございます」
 マックは無愛想に頷いた。わざわざ起こしてくれたらしい。それに、僕はどうやらあのまま寝ていたらしい。
「ヴェンディさんから朝食を預かっています。テレフォーンさんはまだ眠ってますが。起こしましょうか?」
 僕はテレフォーンを起こして不機嫌になられたときのことを思い出した。危険だ。危険すぎる。思い出しただけでも身の毛がよだつ。
「やめとこう。いつも勝手に起きるんだ」
 テレフォーンは毎日朝になると鳥のように覚醒していた。そして僕は彼女より起きるのが遅いと頭に水をかけられていた。それなのに起こせばパンの中に釘が入っていたりと一日中不機嫌で地味な嫌がらせが延々続くのだ。
 視線。それのする方を見るとベッドの上でテレフォーンが半身を起こしている。まるで猫だ。
「お、おはよう」
 惨劇を思い出したせいだろうか。恐怖でろれつが回らない。きっと顔も引きつってるはずだ。
「マック、何? それ」
「朝食です。リンゴもありますよ」
「でかした。小さいやつ」
「そろそろ殴りますよ」
 朝っぱらから鉄球を投げ合うような会話を止める勇気のない、というか止めればこっちに飛んでくることに気づいた僕はそれを傍観することにした。
「エニモルさん、ちゃんと止めてください」
「え、あ、小さいとか言うのはやめた方が……」
「お前は黙ってろ!」
 テレフォーンの一喝で粉々に砕け散った僕のわずかな勇気は明けて間もない空に消えた。僕は部屋に居たくなくなり、壊れかけたドアにとどめを刺さないように慎重に開け、部屋を出た。と同時になぜかため息が出た。
「やあ、受験生」
 声がした方を向くと、ヴェンディが歩きながら書類を片手にコーヒーを飲んでいる。かなり忙しそうである。声をかけられたとはいえ、仕事の邪魔をしているような気がした。
「忙しそうですね」
「まあね。八年前までは、アートムングさんがやってたんだけど……、きみの養父――お爺さんのロッキーさんが死んでから、めっきり無気力になってね。けど薪割りはしてくれるよ」
 ロッキー。ロッキー=ティア。僕の身体がまばたきみたいにびくっと震えるのがわかった。
「……最後に一つ、質問。していいかい?」
 僕は顔を上げた。彼の優しい緑の眼が見え、頷いた。なぜか断れなかった。
「きみは、お爺ちゃんに憧れたのか?」
 僕は首を横に振った。それだけは違う。
「壁の外に、何があるかを、僕は知りたいんです」
「……首の鎖を脱ぎたがるのは、強いやつか、ただの馬鹿なんだよ」
 祖父も言っていた言葉だった。
「僕は――」
 ヴェンディは自然としみ出したような笑みを浮かべて書類片手に迷路のような廊下の奥に消えていった。

■レッツシーイフザッツトゥルーオアノット 第一章・二





 試験当日、僕らはライゼを育成する学校に通っていて、そこの中庭に集められた。椅子が列状に並べられていて、僕らはそこに座らせられた。僕の座席は前列の左端だった
「ライゼとは世界全体の治安を守るものである。よって各地領を無断で行き来することを許可された――」
 試験官は今さらな事をだらだら話した。しかしライゼには強靭な肉体と精神が必要でありよってこの学校が存在する。聞きすぎて暗記してしまった。
「――君たちはこのことを名誉に思い――」
 あまりに長いので、後ろで椅子に座っているテレフォーンの頭が背中にもたれかかってきて、寝息まで聞こえてきた。僕は苦笑しながら試験官の話が終わるのを待っていた。
「それでは、それぞれの試験会場を発表する。エニモル、テレフォーンはヴェステン領、中央ライゼエスィヒ――」
 それぞれの試験会場が発表され、僕らは学校を出た。
「馬車、あるかな」
 試験は二人一組で行われるらしく、僕はテレフォーンと一緒にヴェステン領に向かう馬車を探した。学校は中央街道の行き止まりにあり、中央街道を歩き、広場に向かった。噴水のある広場には、五、六台の一頭立て馬車がとまっており、それに乗り込むサイモン達の姿も見えた。
 ヴェステン領行きの馬車に乗り込むと、間もなくして馬車はゆっくりと進み出した。
「何時頃、ヴェステン領に着きますか?」
 馬車の手綱を引く男に聞いた。
「晴れてるから速いと思うよ。半日くらいかな」
 そんなにかかるのか。今は昼前だから、深夜に着くことになる。
「なんせ、ヴェステンと言えば、レヒヌングよりも遠い西の辺境じゃないか。きみはまだ運がいいよ。この間の『ローゼンコールの大泣き』で着くのが一週間遅れたんだ」
 ローゼンコールの大泣きというのは季節の変わり目になると降る長い雨のことだ。
「あの時はもう地面がぬかるんでて、本当に酷かったよ」
 僕は適当に相づちを打った。
「だってさ、テレフォーン」
「……」
 テレフォーンは何も言わずに窓の外を眺めていた。そう言えば、僕はこの町から出たことないなと思いながら馬車の外に広がる景色を眺めた。
 閑散とした道路の上を馬車は走る。地平線の向こうには天を支える壁が見えた。この世界は壁で囲まれている。世界から出ることが出来ない。壁の外には何があるのだろうか。
 それを知っているのは、テレフォーンだけだ。



 祖父が死んで僕が一人で暮らしていたとき、彼女は現れた。家の近くにある巨大な壁。そこの排水溝の中に入る勇気の無かった僕は手を突っ込んだり中を覗いてみるが、ぬめぬめした苔以外は何もないし何も見えなかった。
「どうしてかべなんかあるんだろう」
 僕は薄汚れた灰色の壁を叩きながら言った。僕の真っ白い手に少し汚れが付いた。
 ある人はこれを護るものだといい、ある人は隠す物だと言った。だけど僕は納得していなかった。これは檻だ。僕達を閉じこめる檻だ。外には何もない。ただの檻。
 それを祖父が生きていた頃言うと、彼は優しく言ったのを憶えている。
「首の鎖を要らないと思えるのは、本当つよい人か、ただの馬鹿だ」
 僕はそれを思い出しながら、壁の前に膝を抱えて座った。
「さびしいな……」
 祖父が居なくなってからもう何年も経っていた。
「『だれか、いるのか?』」
 壁が喋った。残響のきいた声だった。
 僕はおののいて後ずさる。
「……な、なに? か、壁が喋った?」
「『壁……? 穴の中だ。ここは暗くって、よく見えない』」
 そう言われて排水溝の中に声の主はいるのだと気がついた。
「いま、引っぱり出します」
 僕は排水溝に手を入れ、精一杯伸ばした。
「『手……?』」
 手に何かが触る感覚があった。ざらざらの硬い手だった。
「『これか』」
「はい。引っ張りますよ」
 僕は精一杯引っ張った。以外と軽い。
 引っ張っていた何かが急にどこかへ居なくなった感覚がして、僕は尻餅をついた。頭上。烏羽色の長い髪を振り回し、黒真珠のような目と視線がぶつかった。間もなくして、彼女は僕の頭をお尻で踏みつけた。



「エニモル」
 テレフォーンの声で僕は目覚めた。どうやら眠っていたらしい。そう言えば外はもう真っ暗だった。
「ライゼエスィヒはどこですか?」
 馬車の運転手に聞くと、右の方を指差した。
「あそこにあるでかくて黒い奴だよ」
「ありがとうございます」
 僕らは大きな広場にいた。その円形の広場からは放射線状に道路がのびている。広場の中央に噴水はないが、変わりに巨大な女神象が立っていた。空気はかなり乾燥していて、きっと外は荒野だろうと予想した
「ライゼトゥディの方ですか?」
 景色の観賞に浸っていると、声がかかった。銀髪の少女だった。
「はい」
 テレフォーンが答えた。ライゼトゥディとは見習いという意味だったと思い出す。
「わたしはライゼエスィヒで雑用をしているマック=シェイカーと言います。こちらの馬車にどうぞ」
 さっき僕らが乗っていた物とは違い、屋根のない形状の馬車だった。
 僕らはその黒い一頭立ての馬車に乗ると、マックは馬車を進めた。
「僕は、エニモル=ティアです。こっちはテレフォーン=パピーア」
 マックが少しふり返ったので僕は小さくお辞儀した。
「……小さい……」
 テレフォーンが小さく呟いた。僕は聞こえてないと思ったが、マックが後を向いて睨んだと言うことは気にしているようだ。
「前見なくって大丈夫なの?」
「わたしは十三ですから。子供扱いしないでください」
 いや、子供でも大人でも安全に馬車ぐらい運転してよ。
「十三か……」
 テレフォーンがまた意味深に呟いた。マックはもう睨むことすらせず前を向いている。どうやら拗ねたらしい。
「テレフォーン、からかうのはよそうよ」
「もうすぐ着きますよ!」
 相当怒っているのか、マックは半ばこちらの方を見ながら怒鳴った。
 目の前にあるのは、僕らの学校何かよりもずっと巨大な黒い建物だった。
「……」
「これが建設百二十年の歴史を持つ我々のライゼエスィヒ。パレットです」
 マックは少し自慢げに説明した。パレットと言うのはこの建物の愛称のような物らしい。なるほど愛称もつけたくなる歴史と巨大さである。
「でか……」
 大理石の階段を上りながら言った。ドアを開け、中にはいると広々とした広間があった。暖炉、大きなソファ、書類やら何やらの積まれた長テーブル。二階、三階へ続く木製の階段。
「でか……」
「ふふ、凄いでしょう?」
 自慢げにマックが言った。
「余計に小さく見えるな」
 またテレフォーンはマックをからかった。マックはぎろっと睨むが、テレフォーンはけらけら笑っている。悪気はなさそうだ。いや、ちょっとあるだろうけど。
「マック、こいつらが今年の?」
 二階から長い髪を頭の後ろで結った赤毛の若い女性が煙草を吹かしながら降りてきた。
「彼らがか。へぇ、頼もしそうだ」
 もう一人。短く切った髪をきっちり分けた爽やかな壮年の男性だ。
「おい、さっさと降りんか。自己紹介は早めに済ませたいだろ?」
 最後は老人だった。殆ど白くなった髪。たっぷり髭を蓄えた男だった。三人とも着こなし方は違うとがライゼが着用する濃い藍色の制服を身につけている。僕は、ついに来た。やっとここまで。
 三人はゆっくりと広間まで降りてくると、横一列にならんだ。
「誰から言うんだ?」
 女性が言った。
「言い出しっぺでしょ」
 壮年が言った。
「歳順で行くぞ。おれはアートムング=フロイント」
 老人が言った。
「えぇ? ……ぼくはヴェンディ=インディン」
「私はメーレン=サナオリア」
「僕はエニモル=ティアです」
「テレフォーン=パピーアです」
 自己紹介がすむと、メーレンとアートムングが一歩後ろに下がり、ヴェンディは一歩前に出た。
「これより、試験の概要を説明する」
 てきぱきとマックがヴェンディに資料を渡す。かなり手つきが慣れている。
「この町から北の方向に抜けた場所」
 ヴェンディの説明。どこから持ってきたのかわからない黒板にマックが白チョークでかりかりと場所を書き込む。すかさず僕は持参した地図に場所を書き込んだ。
「場所で示した山で、変死体が多く見つかっている。君たちには、それを見つけ、見つけ次第破壊して欲しい」
 破壊? と思ったが聞けなかった。
「あの、死因は?」
「崖からの落下による物だ。だが、焼け焦げたあとや、どうも不自然な点が目立つ。エレクトルエベーネ。中でもシューターである可能性が高い」
 エレクトルというのは古代の遺跡から出土するレアエレクトールと呼ばれる無尽蔵のエネルギーを持つ円柱形の物で、それを利用した武器がエレクトルエベーネ。その中の遠距離攻撃に対応する物をシューターと呼ぶ。
「なぜです?」
「もっとも浸透率が高いからだ」
 もっともな答えだった。レアエレクトールの模造品であり使い捨てであるエレクトールタウが登場してから、その使い捨てという特性を大きく生かすシューターは大きく広まった。高威力で弾の値段が安いからだ。それが人に危害を加えることで幸せを感じる山賊などと言った輩に渡った事もあったが、規制はそこまで厳しくない。
「質問はもういいな?」
 僕は頷いた。
「それでは、マック。部屋まで案内してやれ」
「こっちへ」
 ライゼの三人がばらばらに解散する中、僕らは階段を上がり、廊下の奥の手前で右に曲がった。
「ここです」
 部屋は簡素な物で、テーブルとソファ、ベッドがあった。
「トイレは隣です」
 マックは言った。
「となりの部屋はメーレンさんの部屋なので、静かにしてください。何か、質問はありますか?」
 僕は首を横に振ったが、テレフォーンは何かあるようだった。
「飯は?」
「私が持ってきます」
「ふむ。何を食べればこんなに身体が小さくなるのか気になるな」
 またからかった。
「テレフォーン、いい加減にやめようよ。可哀想だし」
 なだめるが、二人の間にはパチパチ火花が飛んでいるように見えた。一触即発というやつだ。
「『かわいそう』? あなたもわりと小さいですよ。エニモルさん」
 喧嘩の矛先はこっちにまで飛んできた。
「き、きみよりかは大きいよ」
「でもベイビーに比べると小さいよね」
 テレフォーンの追い打ち。僕はもうふらふらだ。
「うるッせぇッ!」
 ドアが勢いよく開いた。メーレンがそこには居た。壊れたんじゃないのだろうか。床にドアの破片らしき木片が散乱してる。
 ドアを破壊したメーレンは僕らを一瞥で黙らせると、部屋の中に入ってきた。
「マック、何でこうなったのか説明してみな」
「……ごめんなさい」
「謝れなんて言ってねえよ」
 あんな刃物みたいな目で睨まれれば黙らずにはいられないだろ。けどそれを仲介する勇気もない。
「おちつけ。メーレンさん」
 テレフォーンだった。
 彼女はすまし顔で一歩踏み出した。
「なんだよ。……テレフォーン=パピーア」
 メーレンの眉間の皺が深くなる。
「彼女が悪いわけじゃない。私が悪いんだ。それは謝る。だが、いちいち怒るのもどうかしていると思うぞ」
 飄々と彼女は言った。
 沈黙。メーレンの目が据わった。とその瞬間、メーレンは横に倒れた。そこにいたのはヴェンディだった。どうやら助けてくれたらしい。
「い、ってぇ……。殴るこたねぇだろ! ヴェンディ!」
「こうでもしないと野獣は躾られんからな。お前のせいで怪我人が出たらぼくの責任なんだぞ。それに書類の整理、やれって言ったろ? 終わったのか?」
 メーレンは顔を逸らした。
「終わってないんだな。行くぞ。ほら」
 彼女は渋々ヴェンディのあとを着いていく。
「……メーレン」
 テレフォーンが呼び止めた。僕にはなぜ呼び止めたのかわからなかった。
「お前の腰に下げているそれは、シューターか?」
 たしかに、メーレンの腰にはシューターらしき物が下げられているようだった。
「それがどうした」
 メーレンはそう言うと、壊れたドアを閉め、消えた。シューター。ライゼなのに? ライゼは暗黙の了解としてシューターの装備を禁止とされているはずなのに。
 それにしても――
「――つか、れた」
 僕はふらふらとベッドの中に飛び込んだ。

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